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デザインカフェ・ブログ
株式会社デザインカフェの代表・主宰者の
平澤太のブログです。デザインワークの
現場のことから趣味の事まで、思ったこと、
考えた事などを書いています。

久米秀幸さんがご自身のブログで僕が設計を担当させて頂いた
久米繊維本社プレスルーム・プレゼンの時のエピソードを取り上げつつ、
大江戸線の列車の”間”を面白おかしく書かれていますね(笑)。
大江戸線や銀座線は他の地下鉄に比べても確かに狭く、
あの狭さが何とも言えない空気感を醸し出しているのではないかと
仮説を立てられている訳ですが(笑)、
それは和のモジュールから来てるのではないかと。
面白かったので、ちょっと調べてみたのですが(笑)、
大江戸線の電車は「東京都交通局12-000形電車」と言うそうで
wikipediaによると・・
車両全幅が2,498mm
室内全高が2,100mm
なんだそうです。比率で1:1.19。
この比率、整数比の比率と近いんですね。
3辺の比が整数になる直角三角形の整数比
(中学の時に三平方の定理ってやりましたよね。笑)が解り易いのですが、
ミニマムで3:4:5、高さ3:幅4で近似値1.333。
実際は車両のボディ厚があったりしますが、その厚みを考慮すると
正方形(直角二等辺三角形の辺の比率=白銀比)に近くなります。
やや強引ですが、この部分が和に感じるのではないかと思った訳です(笑)。
実際、これを見込んで電車のデザインをしたのかどうかは解りませんが、面白いです。
和のモジュールというと尺、寸に代表される尺貫法が代表的ですが、
比率的には整数比と白銀比が和の代表的な比率になります。
整数比は、建築学的に古今東西広く使われていて、ルネサンス建築
(15世紀のイタリア)では、レオン・バッティスタ・アルベルティによって
2:3、3:4、1:2、1:3、1:4、8:9という整数は
「建築形態の美や調和が生み出される数比」として定義していますし、
日本では畳、障子、襖などが1:2 (3尺×6尺)の整数でモジュール化されています。
ちなみに畳は書院造りでほぼ完成したと言われているのですが、
書院造りは室町時代ですから、ルネサンスの時期と合致するんですね。
この辺も面白いです。
もう一つの白銀比(silver ratio)は、「大和比」ともいうのですが、
これは日本が白銀比を世界で最も早く活用した事
(発見したかどうかは定かではないのですが)が由来と言われています。
日本建築ではかなり昔から使われてきたモジュールで
近似値は「1:1.4141=1:√2 」で正方形の半分の三角形である直角二等辺三角形の
辺の比と同じ。正方形の一辺と対角線の比率ともいえます。
法隆寺の五重塔の平面における短辺と長辺の比率や四天王寺敷地の
平面における短辺と長辺の比率など、室町時代以前から使われてきたモジュールで、
大工道具の一つである「さしがね」は今でも裏面に白銀比が
目盛りとして残っています。ちなみに用紙のA版B版も全て白銀比。
風呂敷や畳(正方形の半分の長方形)は正方形を基本にしていますが、
これも白銀比の応用といえます。
白銀比は、連分数展開がきれいで例えば江戸時代に公用紙として使われた美濃紙が
ベースになっているB版の用紙を半分に折ると1/2の同形状の用紙ができます。
畳や建材で多くの白銀比が使われているのは「汎用性の比率」だからであり、
資源の貧しい日本では、その素材を合理的に使いこなす事ができる
(無駄を省ける)比率だったからです。
ちなみに生け花で有名な池坊の比率(花の高さの比)が7:5:3にも、俳句の5:7:5にも
必ず、5:7という白銀比の比率が見え隠れしますね。それは白銀比の持つ並びや
形状の美しさが日本人の美意識に適うものだからだと思うのです。
久米さんのプレスルームでもデザインする上で整数比と白銀比を
結構使っています。冒頭の画像はエントランスの部分ですが、
ガラスのファサードを含む内側がプレスルームのリノベーションで改装した部分で、
外側のパネルは元々ビルの完成当初からの姿になります。
設計に取りかかる前に実測する訳ですが、この時ファサードの躯体の比率が
1:2の整数比になっていた事に気がついたんですね(白数字)。
これは当然、僕が設計した訳ではなく、このビルを設計された建築家が
意図的に設計したものだと察して、この整数比のファサード形状は生かして、
テンパーライトのガラスドアを設置する位置関係でスマートに和を感じる
入り口が創れないものかと試行錯誤したんですね。
そこで白銀比を応用してガラスドアの納まる位置関係(黒数字)を決めた訳です。
久米さんとのブリーフティングでは「海外から観た和=ZENスタイル」
「日本でこそ創りえるもの=JAPAN MADE」というお題があり、
それを空間として表現しないといけない訳です。
そこでテクスチャーに頼った和ではなく和のモジュール(尺寸)を駆使した空間を
創りましょうとなったのですが、同時に無意識に対比して見る部分については
日本の比率(白銀比)を応用しようと思った訳ですね。
プレスルームのインテリアでの白銀比は探してみてのお楽しみとして(笑)残しますが、
日本のモジュールは凛としていて、やっぱりいいですね。。
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+ 平澤 太
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